中日・中田賢一投手(25)が30日、名古屋市中区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、4400万円増となる8500万円で一発サインした。アップ額の4400万円は前日(29日)に更改した中村紀と並ぶ現在のチーム最大幅。14勝を挙げたチームの勝ち頭が、球団査定でもチームトップ級の評価を得た。
少し疲れた顔で会見場に現れた。「いろいろな話をしたので…」。中田が交渉にかけたのは何と約2時間。ほとんどの選手が1時間以内で交渉を終えるなかで、投球同様に“粘り”を見せた。
不満があったわけではない。提示額は今季4100万円から倍増以上となる8500万円。これまでのチームトップタイとなる上がり幅。「しっかり評価していただけたと思う」。一発サイン。ただ、今年は胸を張れる立場。勝ち頭の14勝だ。この際、しっかり自分の考えを話した。
「今年は1年間ケガをせずローテーションを守れたし、リーグ2位でしたが、クライマックスシリーズ(CS)で2つ、日本シリーズで1つしっかり勝てたこと。そういうことですね」
球団側の交渉にあたった井手編成担当は「彼はまじめで口が重たいので自分が納得するのに時間がかかる」と、振り返った。異例のロングラン交渉も、自己評価をじっくり語れるだけの結果を残したからこそだ。
1億円の大台も見え、エース候補生が給料でも主軸組の領域に入ってきた。球団側も「(投手のトップ査定は)朝倉と2人。川上も入るけど、3人はみんな25回以上先発してくれている。3本柱です。今年はね」(井手編成担当)と、川上、朝倉、中田に3本柱の期待をかけた。
「(来季は)1年間ローテーションを守ることを目標として、強い気持ちを持ってやる。勝ち数とかは考えないが、1年間ローテを守るには1年間結果を出し続けないといけない」と中田。今年と同じくシーズン完走を目標に掲げる。
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