中日の中村紀洋内野手(34)は29日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、600万円から4400万増の5000万円で一発サイン。8倍以上の大幅アップを勝ち取った中村紀は「ことしはルーキー。来年を勝負の年にしたい」と男の誓いを立てていた。
つらく苦しい一年が報われた。目の前に提示された金額には不満のかけらもない。600万から4400万円増の5000万円。驚異の大幅アップに、中村紀の顔に“満願の笑み”が広がった。
「納得です。契約していただけただけでありがたいのに…」。今季130試合に出場し、打率・293、20本塁打。79打点をマークした。チームを53年ぶりの日本一に導き、日本シリーズではMVPにも輝いた。その活躍ぶりをきっちりと評価してもらった。
昨オフの苦い記憶がよみがえる。オリックスとの契約交渉が泥沼闘争となり、自由契約という屈辱にさらされてテスト生で中日の門をたたく。育成選手から支配下選手に駆け上がった末、大幅増の年俸をゲットした。
「大変でした。去年のことは思い出したくもない。とにかく恩返ししたい気持ちもあって…。日本一でいい恩返しができた。来年は税金の方も楽になります!」
報道陣の笑いを誘った中村紀。これまで豪快野球育ち。だが、中日では野球の基本である1球、1点の大事さを学ぶ。育成、若手の選手には『やればできる』というお手本をも示した。
現在も腰痛の不安を抱えており、来季への備えも口にした。
「来月、ハワイへのV旅行がある。腰のためには暖かいところがいいのでそこで始動したい。ことしは中日ではルーキー。来年が勝負の年。今季以上の成績を残したい」
男の誓いを立てた。背番号も「99」を変えるつもりはない。ノリが原点に立ち戻って新たな戦いをスタートさせる。
(デイリースポーツ)
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