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28 . June
<プロフェッショナルのこだわり> 岩瀬、鉄の下半身
2008年5月13日 紙面から

 プロの一流の技をドラゴンズの選手に聞く「プロフェッショナルのこだわり」。第2回は中日が誇る抑えの切り札・岩瀬仁紀投手(33)のピッチングに焦点を当てた。入団から9年連続50試合以上登板というタフネスぶりの源はどこにあるのか? 武器であるスライダーや、登板のときの肩の仕上げ方は? 守護神の投球を支えるものは何かを話してもらった。 (山本諭)

<技>スライダーは調子や場面で握り方や投げ方を変える
 岩瀬の持っている球種で最大の武器は、何と言ってもスライダーである。打者の手元で鋭く、そして大きく変化し、相手をてこずらせる。シュートや、スプリットフィンガード・ファストボール(SFF)も投げることで、スライダーがより生きてくるが、やはり岩瀬にとっての伝家の宝刀である。

 スライダーは球を切るようにして投げるといわれることも。ただ、岩瀬の場合は違うという。

 「切る投げ方じゃないんです。でも、どうやって投げ方を説明したらいいか分からないんですよねえ。感覚的なものだから」。プロの選手は理論だけでなく、自分の持つ感覚も大事にする。ちょっとしたことを具体的に明示するのは結構難しい。それが感覚である。

 はっきりと言えることもある。それはスライダーの投げ方はひとつだけではないこと。

 「そのときの調子や場面とかで、球の握りや、投げ方は変えますよ。もちろん、それによって変化の仕方も違ってきます」

 握り方や、腕の振り方を少し変えるだけで、いくつもの組み合わせができる。それによって、球の変化も違ってくる。もともと打ちにくいといわれている岩瀬のスライダーだが、“七変化”ばりのバリエーションがあれば、相手打者が容易に打てないのは当然のことである。だからこそ、最大の武器になっている。

<肩>2、3球だけでマウンドへ
 救援陣は試合のたびにブルペンに入り、展開を見ながら登板に備えて肩をつくる。リリーフ投手は投球練習で少ない球数で肩ができるといわれる。岩瀬もそうだ。

 「少しでも(登板前の)球数は少なくしておくのがいいし、でもそれで、(登板して)良くないといけないし、その辺は考えながらやっています。球数が少なくても肩ができる、そういう体にはなっていますね」

 岩瀬のように試合の最後に出てくる投手は、一方的な試合展開になれば休める場合もあるが、小差なら準備が必要になる。キャッチボールで肩をならしておかなければならないが、ブルペンでの投球練習は「2、3球で肩ができて(マウンドへ)行くときもある」と話す。少ない球数ですぐに肩を仕上げる。長年の経験で体が覚えていることを証明する話である。

 「先発は次の登板までに間が空くから、それに合わせて調整するけど、(リリーフは)そうはいかないから、調整は考えて工夫しています」と岩瀬。登板もしながら、次への調整もしていく。やはり、下半身をより鍛えておくというのが大事になってくる。

<足>高く上げれば上げるほど軸足に体重
 プロ入りした99年から昨年まで、岩瀬は9年連続50試合以上登板のプロ野球タイ記録をつくった。昨年の61試合登板は、01年と並んで自己2番目の登板数。これだけ投げても肩、ひじに大きな故障もなく投げられるのはいったいどうしてか。それは下半身の強さにある。

 「下半身は(投球の)土台になるものだから、鍛えておかないといけない。年間を通して、あれだけ投げられるのも、下半身が(しっかりしていることが)大事だから」

 ピッチングで大事なもの。腕の振り、フォームバランス、投げるときの体重移動、細かいものも挙げていけば、たくさんの項目が並ぶ。「どれも大事なこと」と岩瀬は話す。その中でも常に心がけていることは何か。「何だろう」と少し考えてから「体重のかけ方かな」と話した。これは、下半身の重要さにつながるものだ。

 投手の投球動作は、振りかぶっても、セットポジションでも、次は足を上げる。左投げの岩瀬の場合はもちろん右足。このとき、軸足となる左足に体重をしっかりと乗せて力をため、体重移動とともに、力を放出して投げる。となれば、足を上げれば上げるほど、軸足に体重を乗せられることになる。

 「本当はもっと足を上げたいんです。でも、あれ以上上げるとフォームのバランスを崩しちゃう」と岩瀬。写真では腰より上、腹のところまで足が上がっている。高く上がっているように見えるが「それほどじゃない」と言う。下半身にしっかりと力をためて、それを利用して投げる。可能なら、さらに足を高く上げてタメをつくりたいと思っている。“下半身で投げる”といってもいいくらいなのだ。

 その下半身を鍛えるために、投手はキャンプインからオフになるまで、とにかく走る。シーズン中は、先発ローテの投手は長めの距離をランニングしたり、ダッシュも。岩瀬らリリーフ陣は短い距離のダッシュを繰り返している。疲れがあっても、これで土台を鍛え続けているわけだ。

 日ごろの入念な体のケアも大事。肩、ひじが丈夫なことが大前提に。でも、“下半身で投げる”ことができればそれだけ、肩、ひじ、上半身への負担は減る。岩瀬のように、より登板数を増やすことができる。毎年、どれだけ投げてもへこたれない左腕の強靱(きょうじん)さは、下半身をしっかりと使って投げられるところにあった。

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