◇日本シリーズ第4戦 ○中日4-2日本ハム●
先手先手と、落合監督が策を仕掛けた。その自らが積極的に動いた采配(さいはい)を、監督は言下に否定する。「大して動いていないよ。シーズン通りの野球。選手が普段通りのことを普段通りにやってくれただけ」。
しかし、一歩でも先んじようとする「動」の姿勢は、初回の攻撃からも明らか。荒木が三塁内野安打で、井端が死球で出塁すると、シーズン8犠打の3番・森野が送りバント。ウッズの敵失での先制点、李炳圭の内野ゴロでの追加点を呼び込んだのは森野の犠打だ。
粘り強く投げていた小笠原に関しても、見切りは早かった。五回2死からセギノールの左中間二塁打から満塁のピンチを招くと、スパッと鈴木にスイッチ。「小笠原は五回を投げ終えて、ベンチに戻れれば一番だったけれど、今求められるのはチームの勝ち星」。1勝へのこだわりを感じさせた。
2本塁打が飛び出した第2戦やチーム7打数連続安打のシリーズ新記録を作った第3戦。しかし、落合監督に言わせれば、それは「うちらしからぬ試合」。だからこそ、手堅さとしぶとさを発揮する勝ち方を求めてもいた。
「王手というだけで、まだ四つ勝ったわけではない」と言いながら、自信も見え隠れする。「明日のゲームも全員で集中して、一つのボールを追いかけたい。ここ(名古屋)で終わらせたい気持ちもある」。その先にあるのは、53年ぶりの日本一だ。
(元記事::毎日新聞)
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