中日・立浪和義内野手(38)が6日、名古屋市中区の球団事務所で契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸1億円(金額は推定)プラス出来高払いでサインした。今季は主に代打で勝負強さを発揮。21年目を迎える来季は打撃コーチも兼任する。年明け1月の自主トレには、選手7人を引き連れて米国・グアムに飛ぶ。立浪の技術が、若手へと伝承される。
“立浪軍団”がグアムで旗揚げされる。井上、井端、中田の主力組にとどまらず、森岡、田中、高江洲、福田の若手を引き連れて、総勢8人による合同自主トレで年明け始動する。
「若い選手と一緒に練習します。(人選は)ボクじゃなく、井端が若い子に声をかけてくれたから…。(シーズン中も)若い子はドームに早く来てやっている。うまくなってもらいたいと思うし、ボクはその手助けができればと思っているんです」
仕切ったのは井端だが、その“団長”は立浪となる。立浪にとっては恒例のグアム始動だが、これまでは井上、片岡(元阪神)、上田ら気心の知れた仲間とのトレーニングだった。だが、来年は一気に世代の壁を取り払った。兼任打撃コーチとなることは無関係ではないだろう。
「打撃って難しいんです。一生懸命に長く練習してもいい結果が出ないこともある。(自分が)いいヒントというか、個性を引き出してあげるいいアドバイスができればと思うんです」
来季は勝負の6年目となる森岡、1軍定着を狙う田中、将来のクリーンアップと期待される福田。それぞれが立浪から教わり、学び、盗む。立浪が20年かけて培った技術が、伝承されるのだ。グアムでは宣銅烈監督率いる韓国プロ野球サムスンが1次キャンプを張っており、そこに合流する予定。若手の視野も広がるし、メニューもハードになる。もちろん打者・立浪も、その厳しい環境に身を置く。
「コーチと選手の配分でいえば、選手が『100』です。選手としてやった上でということです。今年は試合にも出ていないのに(右太ももなどを)ケガして走れなかった。そこを見つめ直してトレーニングします」
まず選手ありき。この日は球団側と契約交渉を行い、現状維持の1億円で一発更改。「やめ際になると、野球をやらせてもらえるだけありがたいんです」。“別封”のコーチ料はない。教える立浪がときに若手にあおられて…。そんな光景が、グアムの太陽の下で繰り広げられるはずだ。
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