中日入団が決定した和田一浩外野手(35)=西武からフリーエージェント(FA)宣言=の“お披露目会見”が、年内に行われる。中日では谷繁以来6年ぶりのFA補強。和田加入により、来季の外野布陣はガラリと変わる。誰が、どこを守るのか…。
和田が入る。そして、おそらくは福留が抜ける。竜の外野布陣は頭数では同じでも、勢力図は塗り替えられる。和田の通算打率は3割1分7厘。現役では小笠原に次ぐ高打率(2000打数以上)を誇る。右打者で、足も速くはないにもかかわらず、この数字は福留(3割5厘)をも上回っている。そんな強打者の入団決定。9日の入団交渉では3年総額8億4000万円を提示し、その場で合意に達した。年内にあらためて名古屋で入団会見を行い、故郷に凱旋(がいせん)する。となれば、気になるのがポジションの変動だ。これまでは右翼(福留)だった無競争区が、左翼に移る。残りの選手が群がる“戦場”は、中堅と右翼になるわけだ。
【中堅】 最有力は森野か。ただし、外野の要として固定起用が望ましいポジション。森野は三塁との併用が予想されるだけに…。固定にこだわるなら英智が最短距離にいる。これを藤井、平田の若手が追うという図式になりそうだ。
【右翼】 落合監督が「適性は中堅より右翼だった」と話している李炳圭が軸となる。だが、今季のような打撃なら安泰にはほど遠い。守備力なら英智、打撃なら井上、さらに森野を右翼で使うプランもあり得る。最も競争が激しくなりそうだ。
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いずれにしても、和田入団の影響をもろにかぶるのは森野と井上だろう。「ぼくが1軍にいられるのも試合に出られるのも、どこでも守れるから」と森野。中軸打者としての地位を固めた強みがある。対する井上は悲壮感をにじませた。
「和田をライバルとは思っていません。今年と同じように苦しいシーズンになると覚悟しています。その中で試合に出るチャンスを確保したいし、いつでもいけるよう準備するつもりです」
競争にさらされ続けて生き抜いてきた井上が、決意をもって2008年に臨む。大物FAの入団。だが、その周辺の熱いドラマからも目が離せない。
(中日スポーツ)
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