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20 . September
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12 . February
 中日の北谷キャンプで11日、2つの“新記録”が誕生した。打では荒木雅博内野手(30)がカーブマシンのみで3時間、1260スイングの驚異的な打ち込みを敢行。そして投でも吉見一起投手(23)は250球を投げ、先発ローテーション入りを猛アピールした。

 無心ではない。入魂の3時間。スイングの鬼が屋内練習場を占拠した。午後2時前に入った荒木が、ようやく「ラスト」の声を発したのは5時21分。休憩と球拾いをはさみ、大カゴ3杯弱を打ち切った。毎分およそ7球。計算すると1260スイング! 恐ろしいことに、メーン球場でのフリー打撃は別である。

 すべてカーブマシンだった。この日だけでなく、荒木はフリー打撃をのぞいて、まずストレートマシンを打たない。

 「立浪さんも(本紙上で)言ってましたね。打撃に大切なのは『間』なんだと。それをつかむのにカーブがいいんです。こんなに打ったことは初めてかなあ。いや、若いころに時間だけならあったかも。でも、何も考えていなかったのと、今は中身が全然違います」

 荒木の説明を補足する。立ち位置、グリップの高さ、ステップ…。1260球の中で、何度も、何カ所も変えていた。若さに任せ、振りまくっていた昔とは違う。試行錯誤の価値を知る30歳。だが、そこに答えのないことも、知っている。「打撃の神様に1つだけもらえるとしたら?」。この問いに「腕の使い方」と即答した。迷い、苦しみ、だから振る。

 10日朝、盟友に電話をかけた。カブス・福留が渡米した。「寝てたのをたたき起こしてやりました」。九州男児の同級生。ウマは合った。そして、昨年までは沖縄のカーブマシンを奪い合う仲でもあった。「1人いなくなった分まで、ぼくが打ったんですよ」。マシンの順番待ちをする時間は少なくなるが、責任は重くなる。

 「これだけやればよくなるのかなあ。ならなかったらどうしよう」。3時間打った後のこの言葉。よく福留が笑っていた。「あいつはマイナス思考だから」。だが、荒木にはたぐいまれな才能がある。それは努力を惜しまないという名の才能だ。

 (渋谷真)

 【落合監督はカーブを正面打ち】 中日・落合監督のプロ入り時は、1日2000球以上を打ち込むのが当たり前だったといわれるほど、練習のムシだった。その努力が、3度の3冠王に結び付いたとされる。

 キャンプ中の練習法も独特で、特に伝説として残っているのは“正面打ち”。カーブマシンに正対して構え、目の前に来たボールをバットで払うように延々と打ち続けた。間合いをつかみ、体の軸を中心にしたスイングをつくるためとされたが、打ち損ねればボールが体に直撃する危険もある。そのため、練習中は緊張感が張り詰めていた。
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