シート打撃に登板した中田が投球延長を志願した。3イニング目、10人目の柳田で終わるはずだったが、4人追加、さらにブルペンへ移動して126球を投げた。シート前の投球も含めれば200球ほど投げ込んだ。
「きょうは投げ込もうと思いました。この時期にきて疲れています。こういうときに上半身だけ使って投げるとばらつくので、下半身も使って投げたら良かったです」
シート打撃は打者14人に、1安打、1四球、4三振で無失点。「変化球でうまくストライクが取れなかったところがありました。フォークは投げ始めたばかりですけど、うまく落ちてくれたかなと思います」と振り返っていた。 (山本諭)
◆井上弘昭氏 「竜投今年も強力」
中田、朝倉、山井、小笠原の4人が投げたシート打撃をみて、今年も中日の先発投手陣は強力だと感じた。1人で3勝、計12勝の上積みを期待できる。
中でも、大きな進歩を感じたのが、中田と山井だ。中田は、左足をあげた時に、左肩が下がる癖が消え、右腕がより大きく、速く振れるようになった。
当然、球も速くなる。打者の立場からいえば、始動を速くせざるをえない。だから、変化球の効果もより大きくなる。荒木や西川が、ベースの前でワンバウンドするようなフォークを空振り、三振していたのが象徴的だった。
制球力も向上の兆しがみえるし、もともとスタミナもあるのだから、この調子で調整していけば、今年は最多勝のタイトルも十分に狙える。
山井は昨年後半と、日本シリーズの活躍が相当な自信となったようだ。マウンド上の姿に、風格すら感じた。
実際、投球フォームもよくなっている。一時、テークバックで力む癖があったが、この日、見た限りでは、全く力みがなく、一連の流れの中で、トップの位置まで入っている。
だから、肝心の右腕を振る時、より力強くなっているし、球も速くなっている。速球とともに山井の武器であるスライダーは、制球がいまひとつ。2つの四球を出したが、これは投げ込みを重ねていくうちに解消される。切れ自体は悪くないのだから、何も心配することはない。故障の再発さえなければ、2ケタ勝利は確実といえるだろう。 (本紙評論家)
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