プロ21年目を迎えた中日の立浪和義内野手(38)が3日、“ミスター超え”を誓った。愛知県の豊橋総合動植物公園『のんほいパーク』で一日園長を務め、豊橋市内のホテルで行われた東三河後援会の『日本一祝勝会』に出席するなどイベントに引っ張りだこながら「もう体はできている」と断言。ミスター・ドラゴンズは既に戦闘モード。あと27本と迫っている長嶋茂雄の通算2471安打超えを今季の目標に定めた。
神様・川上、三冠王・落合…。次から次へと歴代大物打者を抜き去ってきた男が、年明けとともに新たな背中を視野にとらえた。すぐ目の前には土井正博、そして、その先には長嶋茂雄がいる。日本プロ野球を代表する偉大な打者たちに、立浪が肩を並べ、一気に前へ出る。
「今年は昨年同様に代打でのスタートになると思う。いい場面で使ってもらって、ファンに応援されて、チームには“何とかしてくれる”と思われる1年にしたい。長嶋さん? 自分で数字を気にしたことはないけど、プロに入って1本1本積み重ねてきた結果。頭に入れてがんばりたいですね」
プロ20年目の昨季は主に代打の切り札として働き、30安打をマーク。通算安打を歴代9位の2444本とした。同8位の土井正博(2452本)、さらに同7位の長嶋茂雄(2471本)は今季の射程圏内。昨年と同等の活躍さえできれば、十分に届くのだ。
「誰だって1本でも多く、1点でも多く挙げたいという気持ちはあるでしょう。それがチームのためにもなるわけだから」
立浪本人に最初から記録の意識があったわけではない。「いつも(マスコミに)聞かされてから知る。周りも騒ぎ出すし」と笑う。1つの記録が近づくと、ファンが、周囲が自然と応援する。レギュラーから代打となった昨年は、声援されることによって生まれるパワーの強さをあらためて知ったからこそ「2500本も達成したい」と今は堂々と目標にできるのだ。
「衰えないよう、オフはずっと体を動かしている。去年は足のことばかり気にしていたし…」
昨年は足の不安を抱えていたこともあり、今オフ中も下半身を強化中。イベントなどの合間を縫ってトレーニングに励んでいる。「ハワイ(優勝旅行)から帰ってきてずっとだから、もう体はできている」と自信たっぷりに言い切った。2008年も、ミスター・ドラゴンズの勢いは止まりそうにない。 (安藤友美 中日スポーツ)
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