その姿にどよめき、アナウンスを聞いて大歓声で出迎え、結果を見て場内が揺れる。この日のナゴヤドームの観衆は1万4428人。公式戦より少なくても「立浪の時間」は昨年と同じだった。今春オープン戦の初出場は代打。そして、見事にタイムリー打を放った。
「レギュラーなら調整段階だけど、いまはそうも言っていられない。とにかく集中していたよ」
その出番は2点差を追った7回2死二塁。左腕・三井にカウント2-1と追い込まれたが、相手の“誘い球”には我慢して手を出さずにフルカウントとした。そして6球目、129キロのカットボールを左中間にはじき返した。オープン戦初出場初安打は「兼任コーチ」として若手のお手本になる初安打でもあった。
「結果が出るとうれしい。出してもらった打席は全部ヒットを打つつもりでやるよ」
オープン戦前、落合監督に「1日1打席ください」とお願いした。試合を読み、準備する。オープン戦といえども代打として試合に臨んでいる。技術面、精神面、ともに文句なし。いま開幕してもいいくらい、今年の立浪は充実している。
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