世界最速VSセ界最強の対決が、北谷ソフトボール場で実現した。前日はマシン打撃で引き下がったウッズだが、この日は女子ソフト界の大エース・上野(ルネサス高崎)がいると聞いて果敢にも『道場破り』。だけど結果は返り討ち…。
20スイングでフェアゾーンに飛んだのがたったの3球。しかもすべて内野ゴロで、空振りは8球献上した。要するに、ファウルを打つのが精いっぱい。対戦後は潔く惨敗を認め“降伏の証し”としてサイン入りバットを献上した。「見るだけだって難しいんだぜ。彼女は打てない。あの速球と比べたら、野球の方が遅いな」。お手上げポーズを見せつけたが、楽しそうなウッズ。
ちなみに対戦を見ていなかったクルスは、この話を信じなかった。だが、後からウッズに連れてこられて上野の球を見たとたん「オー、マイ・ゴッド!」。そんな日の丸エースは北京五輪で“最後の金メダル”に挑む。
「私の方も調子を見るバロメーターにさせてもらっています。プロ野球のすごさをあらためて感じたし、いい刺激になりました。スイングの速さ、選球眼はソフトの選手とは違う。その強さに負けないボールを投げたいし、いつまでもプロの人から『打ちにくい』と言われるようがんばります」
上野は完勝にも浮かれない“大人の回答”。北谷ならではの豪華な盤外戦が、悲願の金への弾みとなりますように-。 (渋谷真)
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