毎日新聞 - 2008/6/9 22:39
○中日6-3楽天●(9日、セ・パ交流戦)
勝利を引き寄せたのは、不調の李炳圭に代わって3試合ぶりに先発出場した井上の必死な思いだった。
同点に追いつかれた直後の六回、先頭の中村紀が二塁打で出塁した。続く井上は「チャンスだと思った。何でも(右方向に)引っ張ろうと思った」と初球をたたくと、打球は右前へ。中村紀を迎え入れる勝ち越し打となった。
四回にも井上は2死一塁から、左前打でつなぎ、英智、小田の連続適時打を呼んだ。直前の日本ハム2連戦では本塁打でしか得点できなかった中日打線に、つながりをもたらした。
ただし、井上は「つながりは意識していない。つながなきゃアカンと思うのではなく、割り切っていかないと。たまに出てきても仕事するよね、というところを印象づけたい」と話した。今季は2軍からのスタート。4月25日に1軍登録された後もなかなか結果を出せなかった。19年目のベテランは「レギュラーに比べたら寂しい数字。(立場は)わきまえている」と言う。
少ない出場機会で念頭に置くのは、与えられた場所で求められた仕事をすること。今季初のお立ち台で井上は「僕はここにいるよ、とアピールできたかもしれない」と笑顔を見せた。【村社拓信】
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