日本一旅行の真っ最中に竜の新選手会長が決定した。16日、前会長の井上が荒木雅博内野手(30)を指名し、快諾。即座に“荒木内閣”が組まれ、朝倉、森野両副会長が留任し、新任は山井大介投手(29)が副会長に、中田賢一投手(25)が会計担当となる。新会長は「井上路線」の継承、発展を所信表明した。
カメハメハが眠るホノルルの街で、竜の新たな大王ならぬ会長が誕生した。井上前会長による人選は少々長引いたが、荒木で一本化。指名、受諾、組閣と一気に1日で終えた。
「去年、今年と井上さんが、今までやってなかったことをやってきました。ボクもそれを引き続いてやっていきます。井上さんの後っていうのはすごいプレッシャーですが、頑張ります」
選手とファン、グラウンドとスタンドの距離を縮めたと評価される井上時代。荒木新会長はその路線継承を誓いつつ、発展のための強権もにおわせた。
「崩さないように、それでいてあらためて大きくしたい。そのために主張するところは主張します。ボクのやりたいようにやらせてもらいます」
独裁は受け入れられないが、何もかも全員一致を待っていては物事は進まない。少々強引なのもリーダーシップ。「おとなしい」とされてきた荒木が、会長就任を機に我を出すという決意を示したのだ。同級生・福留のメジャー移籍。三十路(みそじ)に入り、気が付けば引っ張る立場に回っていたということだ。
チームリーダーである一方で、ここ数年の選手会長は「労使交渉」の当事者としての責任も増大している。直近の重要課題はFA権の期間短縮。今季までは会計担当だった荒木は“二階級特進”となり、12球団の総会にも出席する。
「今までもそういう会合には出たことはありますが、奥までわかっていないんで…。力を入れて考えていきます。まずは2年は勉強します」
当面の任期を自ら設定した。ハワイ発、荒木の所信表明。地位は人を育てるともいう。会長就任が選手・荒木をも大きくするかもしれない。
(中日スポーツ)
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