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19 . September
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06 . June
2008年6月6日 紙面から

 ロッテの高卒新人・唐川が7イニングを6安打4失点でプロ初黒星。デビュー戦から3連勝で旋風を巻き起こした新星が、高卒新人では1986年の相川(大洋)以来、22年ぶりとなる無傷の4連勝を逃した。

 デビューから6試合目でついに土がついた。それでも18歳右腕は淡々としていた。「前の2試合で負けがついていなかったのがおかしい。負けがついたからといってどうこうはない」。過去2戦は黒星を免れたものの、いずれも5回を持たずKO。不退転のマウンドで中村紀に痛恨の3ランを浴びるなど、またしても勝ち名乗りは受けられなかった。

 だが、成長の証しは示した。この日は無駄な動きを省くため、初回からノーワインドアップ投球。

 その初回、先頭荒木に四球を与えたが「(課題の)クイックが遅いことを相手が知っていると思った。走ってくると頭にあった」というプロ初のけん制で仕留める冷静さ。強心臓右腕は4回以降は内野安打だけ。ポーカーフェースを崩さなかった。

 衝撃のデビューから一転。次回登板はローテ生き残りをかけたマウンドとなる。 (小林良二)
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12 . February
 中日の北谷キャンプで11日、2つの“新記録”が誕生した。打では荒木雅博内野手(30)がカーブマシンのみで3時間、1260スイングの驚異的な打ち込みを敢行。そして投でも吉見一起投手(23)は250球を投げ、先発ローテーション入りを猛アピールした。

 無心ではない。入魂の3時間。スイングの鬼が屋内練習場を占拠した。午後2時前に入った荒木が、ようやく「ラスト」の声を発したのは5時21分。休憩と球拾いをはさみ、大カゴ3杯弱を打ち切った。毎分およそ7球。計算すると1260スイング! 恐ろしいことに、メーン球場でのフリー打撃は別である。

 すべてカーブマシンだった。この日だけでなく、荒木はフリー打撃をのぞいて、まずストレートマシンを打たない。

 「立浪さんも(本紙上で)言ってましたね。打撃に大切なのは『間』なんだと。それをつかむのにカーブがいいんです。こんなに打ったことは初めてかなあ。いや、若いころに時間だけならあったかも。でも、何も考えていなかったのと、今は中身が全然違います」

 荒木の説明を補足する。立ち位置、グリップの高さ、ステップ…。1260球の中で、何度も、何カ所も変えていた。若さに任せ、振りまくっていた昔とは違う。試行錯誤の価値を知る30歳。だが、そこに答えのないことも、知っている。「打撃の神様に1つだけもらえるとしたら?」。この問いに「腕の使い方」と即答した。迷い、苦しみ、だから振る。

 10日朝、盟友に電話をかけた。カブス・福留が渡米した。「寝てたのをたたき起こしてやりました」。九州男児の同級生。ウマは合った。そして、昨年までは沖縄のカーブマシンを奪い合う仲でもあった。「1人いなくなった分まで、ぼくが打ったんですよ」。マシンの順番待ちをする時間は少なくなるが、責任は重くなる。

 「これだけやればよくなるのかなあ。ならなかったらどうしよう」。3時間打った後のこの言葉。よく福留が笑っていた。「あいつはマイナス思考だから」。だが、荒木にはたぐいまれな才能がある。それは努力を惜しまないという名の才能だ。

 (渋谷真)

 【落合監督はカーブを正面打ち】 中日・落合監督のプロ入り時は、1日2000球以上を打ち込むのが当たり前だったといわれるほど、練習のムシだった。その努力が、3度の3冠王に結び付いたとされる。

 キャンプ中の練習法も独特で、特に伝説として残っているのは“正面打ち”。カーブマシンに正対して構え、目の前に来たボールをバットで払うように延々と打ち続けた。間合いをつかみ、体の軸を中心にしたスイングをつくるためとされたが、打ち損ねればボールが体に直撃する危険もある。そのため、練習中は緊張感が張り詰めていた。
10 . January
 中日の荒木雅博内野手(30)が9日、愛知県豊田市で自主トレをスタートさせた。新選手会長の今季のテーマは“甘え排除”。シーズン144試合出場はもちろん、3・1オープン戦開幕戦からの全戦出場を誓った。

 2008年の荒木に欠場はない。新選手会長の“開幕戦”は3月28日にあらず。3月1日、浦添で幕を開ける。

 「その時期なら大丈夫。出ますよ。今まではどこかに(欠場してもいいという)甘えがあったと思う。体も休ませなきゃっていうのも…。そうじゃなく、最初から全部、出る。そういう気持ちでやっていきます」

 ヤクルト戦を皮切りに、12球団で2番目に多い18試合が組まれている竜の前哨戦。自身初、チームでも03年の大西以来のフルエントリーを誓った。休養、打ち込みなど主力に許された特権を謹んで辞退。もちろん、荒木の決意はオープン戦限定ではない。「シーズンも同じです」と144試合フル出場の野望を見据えている。合わせて162試合。さらにクライマックスシリーズ(優勝したら最大5試合)、日本シリーズまで突っ走る。「休みたい…」。悪魔のささやきをはねつけるためにも、春からの全戦出場を自らに課したわけだ。

 この日から豊田市内で始動。午前7時半のランニングから午後6時の終了まで、2度の食事休憩をはさんで実働7時間30分のハードメニューをこなした。投げ初め、振り初めも済ませたが、大きく変えたことが1点。昨オフから取り入れているウエートトレを、約2時間にわたって行った。

 「右肩のためにやっているんです。今までは(不安があるから)休ませるって考えでしたけど、それでも良くならない。それなら逆のやり方で行こう。鍛えてみようということです」

 昨年は2度にわたって戦列を離れ、31試合欠場する要因となった右肩痛。その克服なしに『162試合フル出場』はあり得ない。守りではなく、攻めの対処法。ここにも甘えを排除しようという荒木の姿勢がにじみ出ている。1番・荒木が不動なら、首脳陣も大歓迎。球春3月から、竜のリーダーが突っ走る。 (渋谷真)

こっちなら“ホームラン”簡単なのに…
 始動日の練習メニューの最後を飾ったのがテニス。荒木自身「生まれて初めて」ラケットを握った。最初は“ホームラン”あり“場外ファウル”ありだったが、さすがはアスリート。あっという間に軽いラリーを継続できるまで上達した。

 落合監督や与田剛氏(本紙評論家)も現役時代にテニストレを取り入れており、下半身強化はもちろんバットではあまり意識しない「面」を考える上でも効果が。みっちり2時間コートを走り回った荒木は「自分のラケット買っちゃおうかな」とどっぷりはまった様子だった。

(中日スポーツ)
28 . December
 中日の荒木雅博内野手(30)が27日、名古屋市中区の球団事務所で契約交渉に臨み、500万円減の1億3500万円プラス出来高で更改した。一発サインはしたものの、よもやの減俸に盗塁王はがくぜん。来季中にも取得する、フリーエージェント(FA)権の行使も示唆した。

 12年連続の一発更改も、顔は紅潮したまま会見場に現れた。

 「自分としても納得していない1年ではありますが、それでもちょっと(ダウン幅が)いき過ぎじゃないかなと。盗塁? やはりホームランか打点じゃないと軽くみられるのかもしれません」

 1時間を超える交渉の中、1000万円減が500万円に緩和はされた。盗塁王を待っていたのは、8年ぶり2度目のダウン。「怒りのサインとは書かないで!」と語った荒木だが、あと6日で取得できるFA権にまで話題は及んだ。

 「権利を取るまでは保留することなく一発でと思ってきました。今までやってきた証し。言いたい言葉じゃないけど、言いたくなりました。有効にできればと思います」

 来オフの行使まで示唆。竜一筋を自らも信じてきた男が、ここまでぐらついてしまった。もちろん2度の戦線離脱、2割6分3厘という低い打率も承知している。だから「久々にグッときた」のを「ここでグッとこらえるのも男」と署名した。秘めたる怒り。とはいえ、球団側にも厳正に査定した自負がある。

 「ホームランと盗塁を比べれば、ホームランが上です。確実に1点入るし、打点もありますから。でも、走るのは大変な作業。走れる期間も短い。意欲をもってもらわないと困るから、過大評価じゃないといけないくらいでいます」

 交渉役の井手編成担当が、焦点となった盗塁の位置付けを説明した。十分に評価しているとする球団側と、足りないと思う荒木。表面上は妥結したが、来季に流し切れなかったものがあるのは間違いない。

 「まず来年、しっかりとやること。その自信はあります。成績を残して評価が同じだったら、考えないといけません。『権利を取ったらそれなりのことをさせてもらいます』と、球団には話しました」

 まずはこの怒りが来季の原動力となることを見守るしかない。 (渋谷真)
(中日スポーツ)
23 . December
中日の荒木雅博内野手(30)の後援会懇親会パーティーが22日、名古屋市西区の「ウェスティンキャッスルホテル」で開催された。来賓の高木守道・中日OB会長(66)、立浪和義内野手(38)から『指令』を受けた。故障撲滅&出塁率4割。その先にチームの連続日本一が待っている。

 厳しくも温かい祝辞だった。

 「今の野球は投手のモーションも速く、私がやっていたころと比べても盗塁は難しくなっています。だから荒木の31個というのは、決して少なくはありません。私の50個も大したものですが(笑)。私は盗塁王を3回とりました。荒木が1年を通じてリードオフマンであることは、優勝に不可欠だと思っています」

 荒木からみれば雲の上の住人である高木氏からは、事実上の連続盗塁王獲得を言い渡された。21年ぶりに竜から生まれた盗塁王。並べ。そして抜け。そのためには戦列を離れるな。今季は右肩痛に苦しんだ荒木への叱咤(しった)、そして激励。続いてマイクを握った立浪は、選手会長就任の舞台裏を明かした。

 「実は私と井上で強引に決めました。本人は戸惑っていましたが、やりたくてもやれる仕事じゃない。これを機に、自分のことだけじゃなく周りを見ながら、もうひと皮、ふた皮と成長してもらいたいんです」

 さらにノルマも厳命。荒木の武器はいうまでもなくスピードだが、それを生かすも殺すもバットしだいなのだ。

 「打率は3割でいいから、出塁率を4割近くまで上げてもらいたい。ボクも打撃コーチ兼任なので、来春からは一緒に考えます。彼が1番で1シーズンがんばれば、必ずチームは上に行くことができますから」

 2割9分6厘にとどまった出塁率。これが上がれば盗塁数は自然と、なおかつ飛躍的に増えていく。自分を支えてくれた約470人もの出席者を前に、荒木も誓った。

 「皆さんの言葉を肝に銘じて、来年からもがんばりたいと思います」。耳には痛いが、身にしみるアドバイス。メンバー表からその名を消さぬことを、チームも求めている。
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