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20 . September
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06 . June
2008年6月6日 紙面から

 ロッテの高卒新人・唐川が7イニングを6安打4失点でプロ初黒星。デビュー戦から3連勝で旋風を巻き起こした新星が、高卒新人では1986年の相川(大洋)以来、22年ぶりとなる無傷の4連勝を逃した。

 デビューから6試合目でついに土がついた。それでも18歳右腕は淡々としていた。「前の2試合で負けがついていなかったのがおかしい。負けがついたからといってどうこうはない」。過去2戦は黒星を免れたものの、いずれも5回を持たずKO。不退転のマウンドで中村紀に痛恨の3ランを浴びるなど、またしても勝ち名乗りは受けられなかった。

 だが、成長の証しは示した。この日は無駄な動きを省くため、初回からノーワインドアップ投球。

 その初回、先頭荒木に四球を与えたが「(課題の)クイックが遅いことを相手が知っていると思った。走ってくると頭にあった」というプロ初のけん制で仕留める冷静さ。強心臓右腕は4回以降は内野安打だけ。ポーカーフェースを崩さなかった。

 衝撃のデビューから一転。次回登板はローテ生き残りをかけたマウンドとなる。 (小林良二)
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09 . May

海老沢 泰久=文

 タイガースの金本知憲が4月12日のベイスターズ戦で今シーズン13本目のヒットを打ち、通算2000本安打を達成した。

 2000本安打の達成者は、通算3085本の張本勲を筆頭に、これで37人になったが、2000年代になってからは、秋山幸二、駒田徳広、立浪和義、清原和博、古田敦也、野村謙二郎、石井琢朗、田中幸雄、前田智徳についで10人目である。プロ野球の歴史は今年で73年目だが、この記録はその歴史とともに順調に積み重ねられているといっていいだろう。

 また、金本につづく選手も、去年まで1779本の堀幸一を先頭に、1500本以上を打っている選手が、小久保裕紀、小笠原道大、中村紀洋など8人も控えているから、今後も途切れる心配はない。

 しかし、200勝投手ということになると、どうなのだろう。

 現在、200勝の達成者は、400勝の金田正一を筆頭に23人いるが、2000年代になってからは工藤公康1人で、90年代までさかのぼっても北別府学のほかは見当たらない。

 また、工藤のあとに続く選手も、去年まで193勝の山本昌がいるが、それにつぐのは151勝の西口文也、つぎが117勝の三浦大輔だから、山本昌が達成できなければ当分のあいだ達成者は出ないことになって、ひょっとすると、工藤が最後の200勝投手ということになる可能性もあるのである。

 だからどうした、という人もいるかもしれない。野手は昔と変わらずに全試合に出場するが、投手は昔とちがって中6日のローテーションで投げ、シーズンに25回程度しか先発しないのだから当然ではないかと。

 たしかにそのとおりなのである。昔のエースは、中3日で先発したうえにリリーフもこなして20勝するのがあたりまえだったが、いまの中6日では13勝から15勝するのがせいぜいだ。工藤は今年で実働27年目だが、200勝するのに23年かかり、山本昌は23年目でまだ7勝足りない。つまり現在の野球では、20年では200勝できないのである。

 しかし、昔の野球を知るぼくには、それでいいのかという思いが拭いきれない。野球はチームの勝敗を競うスポーツだが、個人記録のスポーツでもあるからだ。

 投手の記録には、通算勝利のほかに、完投、完封、奪三振など、さまざまな個人記録がある。そして、それらを見れば、73年のプロ野球の歴史の中で誰がどの程度はたらいて、どのあたりにランクされる投手なのかがひと目で分かるようになっているのである。

 しかし、現在の野球では、中6日のローテーションばかりでなく、先発とリリーフの分業がすすんで完投する投手は滅多にいなくなっているから、いずれの部門でも歴代30位以内にはいる投手は生まれないだろう。

 4月10日には、ダルビッシュ有と岩隈久志がともに完投して、ダルビッシュが1対0で完封するという投手戦があったが、昔はいくらでもあったこういう試合もいまはほとんど見られない。去年の日本シリーズで、ドラゴンズの山井大介が8回までパーフェクトピッチングをつづけていたのに、9回に岩瀬仁紀が出てきたのがいい例だ。

 もう投手が主人公のドラマは生まれないのである。野球がどこか醒めたものになり、熱狂から遠くなっているのも、こうしたことと無関係ではないような気がする。

09 . May
4月29日8時0分配信 産経新聞


 1試合にあるか、ないかの出番を待つ“代打稼業”。勝敗の行方を決める試合終盤の好機に使われる選手は、文字通りの「切り札」だ。セ・リーグ開幕から28日で1カ月。いま、巨人を除くセ・リーグ5球団は、かつて主力打者だったチームの生え抜きがこの役割を担う。阪神・桧山、中日・立浪、ヤクルト・真中…。「引退」の2文字と隣り合わせのベテランの背中は、若い選手に勝負の厳しさを語りかける。(田中充)

 甲子園で「代打・桧山」がコールされると、スタンドから大きな声援が沸く。“暗黒時代”からタテジマ一筋17年目の38歳。野球協約に定められた減額制限(25%)を超える2500万円減の年俸4000万円で迎えた今季は、後がないが、練習では大粒の汗を流してバットを振り込んでいる。

 背中で見せられる選手になる-。いま、桧山はそう誓っている。「どんな一流打者でも10回に7回は失敗する。大事なのは、失敗を次にどうつなげるか。そのために、何をしなければいけないかを見せたい」

 試合前の打撃練習では試合よりも投手に近い位置に立つ。体感速度が増した状態で打つのは1打席で結果を出すためだ。かつて「代打の神様」と呼ばれた八木裕氏の方法をまねたもの。代打でも腐ることなく、球団の代打本塁打記録(13本)を達成した先輩の背中から、自らも学んだ。

 桧山がレギュラーを外れたのは2006年。だが、代打3年目を迎えても気持ちは切れない。試合中は試合の流れを読み、出番に備えて素振りを繰り返す。開幕から1カ月が経過したが、打率は4割。高い集中力で若手の手本になり、好調なチームの支えになっている。

 他球団を見渡しても、セ・リーグの代打陣は「チームの顔」だった選手が多い。シュアな打撃で名球会入りしている中日・立浪、チームの黄金期に3割を2度マークしたヤクルト・真中、1995年から3年連続盗塁王に輝いた広島・緒方、97年から2年連続首位打者の横浜・鈴木尚…。

 95年の打点王で、引退前は代打で活躍した元ロッテの初芝清氏(サンケイスポーツ評論家)は「第一線にいた選手は代打に甘んじるつもりがない。その気持ちが練習に出るから、レギュラーも手が抜けないんです」と話す。2005年には、チーム31年ぶりの日本一にも貢献した初芝氏。「ベテランの『どんな形でも貢献しよう』という姿勢は、チームを一つにするんです」と断言した。

 その気持ちを支えるものこそが、本拠地での大歓声。高卒1年目から見守ってくれるファンの後押しに、立浪は「ありがたくて涙が出そうになる」と目頭を熱くしたことがある。熱い声援と若い選手の視線を背中に受けた名選手は、野球人生の集大成をひと振りで表現している。

                   ◇

 ■セ・リーグの生え抜きの代打陣

 球団名    選手名  齢  今季の成績

 阪 神  桧山進次郎 38 10打数4安打2打点

 中 日  立浪 和義 38 15打数無安打1打点

 ヤクルト 真中 満  37 12打数1安打0打点

 広 島  緒方 孝市 39 16打数5安打1打点

 横 浜  鈴木 尚  36 16打数4安打0打点
22 . March
 出る。つなぐ。崩す。これが日本一打線だ! オープン戦15試合目にしてようやく組めた“開幕オーダー”。落合監督が早々と2月1日に指名した8人のレギュラーがそろい、前哨戦でコイを丸のみにした。  「今はすごくボールがよく見えているんだ。開幕? イエス。準備はできているぜ」  6回1死二塁。火の出るような打球を中前に転がしたのが主砲・ウッズだ。これで3戦連続の適時打。開花宣言もうなずける。ウッズから始まったヒットパレード。代わりばなの青木勇から和田、中村紀が三遊間を破り、森野の同点打へとつながった。  出るべき人が打席に立ち、そしてつながった。本番さながらの集中攻撃は収穫だったが、それぞれの“打撃脳”にインプットされた情報も大きな実を結ぶはずだ。広島の先発は若きエース候補・前田健。ウッズの適時打で引きずり降ろすまで、4安打と打ちあぐねた。だが、真っすぐの球質を見た。カーブとスライダーの軌道も確かめた。初見の不利をこの時期に済ませたことは、打つ側にプラスとなる。  「いい投手でしたね。恐らく公式戦で対戦することになると思う。第3戦かもしれんね。でも1本出たんで、余裕をもってシーズンを戦えますよ。見られてよかった」  2回に前田健から右前に放った中村紀は、この日の対戦の意味を隠さなかった。前田健には2三振と倒れた和田も「感覚的に(という意味で)見ることができてよかった。第3戦の可能性があるわけですからね」とうなずいた。2人が口にした『第3戦』とは3月30日を意味する。本番でも…。個々の“点”ではなく、8人の“線”で突き崩す。それが竜の野球。日本一打線の厚みなのだ。 (渋谷真)
06 . March
 中日・吉見一起投手(23)が“バット破壊王”と化した。5日にナゴヤドームで行われた巨人とのオープン戦に先発し、5イニングを無失点。毎回安打を許しながらも、得意のシュートなどでバット4本をへし折る力投を見せた。悲願の先発ローテ入りに猛アピールだ。試合は中日が4-2で巨人を破った。

 その瞬間、スタンドがどよめいた。1回2死三塁で、巨人の4番ラミレスのバットが「バキッ」とにぶい音を立てた。真っ二つに折れたバットを残し、打球は力なく投前へ。威力も、そして見ているファンへのインパクトも満点のシュートで最初のピンチをしのいで見せた。

 “被害者”はラミレスだけにとどまらない。4回には無死一塁から同じくシュートで小田嶋が二ゴロ併殺。5回の脇谷の投ゴロを含めてシュートだけでバット3本を“お払い箱”に。直球で折った村田善を含めると、5イニングの間に4人のバットをへし折った。

 「ここという場面でシュートにキレがあった。ちゃんと変化してくれました」。吉見が自画自賛するカミソリのような切れ味。7安打を浴びても、このシュートがピンチで生命線になった。

 「0点に抑えたことは自信になる。自分らしく、粘り強く投げられました」と充実感たっぷりにほほ笑んだ。

 もともと持ち球の一つだったシュートに、今季は微妙な調整を施している。「以前は普通に投げるという感覚。それを人さし指で押し込むような意識に変えた」。見た目には分からないミクロのレベルでの工夫。それだけで「球速は多少落ちたと思いますが、代わりにコントロールしやすくなった」。スライダーとフォークを決め球にしている吉見にとって、“新”シュートは投球の幅を大きく広げている。

 好投には思わぬ幸運も重なっていた。4日に登板予定だった2軍のソフトバンク戦が降雨中止になり、「登板機会を与えたい」という首脳陣の意向で急きょ決まったナゴヤドームの先発マウンド。転がり込んだ昨季セ・リーグ王者との対決というビッグ・チャンスを、無失点投球で生かしてみせた。

 森バッテリーチーフコーチは「結果を出すということは大切なこと」と大きく評価。激しい先発争いはまだまだ続くが、吉見が土俵内で踏みとどまったことは間違いなさそうだ。 (木村尚公)
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