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18 . September
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06 . January
仲がいいとは聞いていたが、想像以上だった。9年ぶりにドラ番に復帰して早々に、堂上兄弟を取材するチャンスに恵まれたときのことだ。

 肩を並べて歩く姿は、無二の親友のよう。互いに投手役を務めながらの打撃練習も、笑い声や叫び声を上げながら、いつやむとも分からないほど長々と続く。

 帰り際には、弟・直倫が「今からタケ(兄・剛裕)と帰るから」。両親への電話だろう。その口調からも、ほほえましいほどの親密さがうかがえた。

 しかし、いつかはこの2人もライバルになることがあるだろう。兄離れ、弟離れを迫られるときがくるはずだ。それで初めて、1人のプロ野球選手としての存在価値を問われる。堂上兄弟がお互い、火花を散らして競う。そんな姿を取材できる日が楽しみだ。

(中村浩樹)

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06 . March
 中日・吉見一起投手(23)が“バット破壊王”と化した。5日にナゴヤドームで行われた巨人とのオープン戦に先発し、5イニングを無失点。毎回安打を許しながらも、得意のシュートなどでバット4本をへし折る力投を見せた。悲願の先発ローテ入りに猛アピールだ。試合は中日が4-2で巨人を破った。

 その瞬間、スタンドがどよめいた。1回2死三塁で、巨人の4番ラミレスのバットが「バキッ」とにぶい音を立てた。真っ二つに折れたバットを残し、打球は力なく投前へ。威力も、そして見ているファンへのインパクトも満点のシュートで最初のピンチをしのいで見せた。

 “被害者”はラミレスだけにとどまらない。4回には無死一塁から同じくシュートで小田嶋が二ゴロ併殺。5回の脇谷の投ゴロを含めてシュートだけでバット3本を“お払い箱”に。直球で折った村田善を含めると、5イニングの間に4人のバットをへし折った。

 「ここという場面でシュートにキレがあった。ちゃんと変化してくれました」。吉見が自画自賛するカミソリのような切れ味。7安打を浴びても、このシュートがピンチで生命線になった。

 「0点に抑えたことは自信になる。自分らしく、粘り強く投げられました」と充実感たっぷりにほほ笑んだ。

 もともと持ち球の一つだったシュートに、今季は微妙な調整を施している。「以前は普通に投げるという感覚。それを人さし指で押し込むような意識に変えた」。見た目には分からないミクロのレベルでの工夫。それだけで「球速は多少落ちたと思いますが、代わりにコントロールしやすくなった」。スライダーとフォークを決め球にしている吉見にとって、“新”シュートは投球の幅を大きく広げている。

 好投には思わぬ幸運も重なっていた。4日に登板予定だった2軍のソフトバンク戦が降雨中止になり、「登板機会を与えたい」という首脳陣の意向で急きょ決まったナゴヤドームの先発マウンド。転がり込んだ昨季セ・リーグ王者との対決というビッグ・チャンスを、無失点投球で生かしてみせた。

 森バッテリーチーフコーチは「結果を出すということは大切なこと」と大きく評価。激しい先発争いはまだまだ続くが、吉見が土俵内で踏みとどまったことは間違いなさそうだ。 (木村尚公)
06 . March
 球威に負けず、フェンスの手前まで届いた打球こそが藤井の『進化』の象徴だった。6回2死。バーンサイドの138キロを振り抜いた。右中間突破の2点三塁打。外角よりの高めの球だった。

 「去年までなら打てなかった球だと思います。ファウルにしかならなかったでしょうね」

 打撃が課題。そう言われ続けてきた。とりわけ高めの球は打ち返せなかった。左わきが開く。その悪癖をわかっていながら直せなかったからだ。「わきを締めろ」。簡単なことなのに。しかし、人間の意識と肉体は不思議なものである。あれだけ意識を集中しても閉じてくれなかった左わきが、ふとしたきっかけで閉じるようになった。

 「下半身を意識しながら振っていたら、いつの間にかよくなっていたんです。キャンプで手応えをつかめた部分だったので(実戦でも実行できて)よかったです」

 沖縄での1カ月。落合監督と立浪兼任コーチから、最も指導された男が藤井だろう。昨春は恐怖の『3時間打ちっ放し』に体がついていけず、玉砕した。今春もそれに匹敵する量を振ったが、最後までグラウンドに立っていた。「やり遂げられたのが自信になりました。でもこれからです」。定評のある守と走に打でも猛アピール。開幕ベンチへの距離は大きく縮まった。 (渋谷真)
19 . February
 本塁打にも負けないインパクトがあった。小笠原から中前打を放った岩崎が、次打者の柳田の初球に動いた。投球が捕手のミットに収まる絶妙の瞬間にスタートを切ると、悠々セーフのタイミングで二塁へ滑り込んだ。「過去にほとんどやったことがない」というディレードスチール。捕手の小田の悪送球まで誘って岩崎は三塁へ達した。

 結局、球審が柳田に送球妨害があったとジャッジして一塁へ戻され、“幻”に終わったが、それがなかったとしても完ぺきな盗塁だった。

 岩崎は「サインが出たので行きました。大きめのリードを取って、いいスタートが切れた」と満足そうに振り返った。

 50メートルを5秒8で走る俊足で、昨季は2軍で13盗塁をマークした。「けがで試合に出られなかった時期もあったし、もっと積極的にいけば数は増えたと思う」と足には自信を持っている。

 今季は、その足を生かすチャンスが増える。福留の離脱と和田の加入で、試合の終盤、代走に起用される機会が多くなりそうだからだ。ショートのポジションでは井端の壁は厚いが、岩崎にとっては好機到来。「試合に出るとしたら代走が主になる。警戒されても盗塁を決められるように、今から『スタートの1歩目』を意識しています」と、まずは代走のスペシャリストになろうと意欲満々だ。

 シート打撃を偵察した阪神の嶋田スコアラーは「勝負どころで代走に出てくる選手の1人になるでしょう」と警戒感を募らせた。他球団も評価する足を武器に、岩崎が開幕1軍へ“滑り込む”。 

  (木村尚公)
18 . February
 これぞ“矯正ギプス”の効果だ。2回2死二塁で、低めのチェンジアップを西川は完ぺきにとらえた。前進守備を敷いていた外野のはるか頭上、右中間を深々と破る適時三塁打。落合監督がキャンプ序盤に考案した特殊ヘルメットを着けて打ち続けた成果を、最初の実戦で早くも披露した。

 「以前のスイングならあの打球は打てなかった。うまくバットに乗せられました」

 西川には打つ瞬間に頭が左側に倒れる悪いクセがあった。特殊ヘルメットは、右打者用のヘルメットに厚紙を継ぎ足し、頭が傾くと肩に当たるようにしたもの。クセが直っていない装着当初は、「ヘルメットが当たってカクンとなることがたびたびあった」と言う。

 短期間でクセを直すため、西川が考えたのはスイング軌道の根本的な改良。「ボールを上からたたいてスピンをかけようとしていたけど、下からしゃくり上げるくらいの意識に変えた。結果的にレベルスイングの形になりました」。ヘルメットを一つのきっかけに、打法そのものを見直したのだ。

 約2週間の“矯正期間”中、フリー打撃はもちろん、マシンやティー打撃でも特殊ヘルメットをかぶり続けた。「スイングを変えたら首も傾かなくなった。ヘルメット? 『カクン』もないし、もう取っても大丈夫だと思いますよ」と“矯正完了”を自信を持って宣言した西川。目標の開幕1軍へ、一つ階段を上った。 

 (木村尚公)
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