<ヤクルト7-8中日>◇17日◇神宮
中日がヤクルトの追い上げを振り切り、2位に再浮上した。初回、石井一から5点を奪って主導権を握ったが、相手の追撃で大苦戦。先発山井が3発を浴び6回6失点で降板。7回には1点差とされ、終盤はヒヤヒヤの展開だった。
それでも最後は守護神岩瀬仁紀投手(32)が締め、史上初の3年連続40セーブに王手をかけた。
首位に立った阪神とは0・5差。残り15試合、逆転連覇へオレ竜の負けられない戦いは続く。
がけっぷちで岩瀬が1点差を守り切った。9回、無死から三塁中村紀の失策と安打で無死一、二塁のピンチ。打席に現在首位打者の青木を迎えた。ストレートで追い込むと最後は内角142キロで空振り三振。続く田中浩を併殺に打ちとってゲームセット。クールな守護神が、ガッツポーズだ。
「絶対に負けられない展開だった。(青木は)あそこで止めないと一気にいってしまうから。普段は投げないボールを投げた」。
土壇場でも冷静だった。オレ竜の守り神は、これで39セーブ目。自身の記録を更新する史上初3年連続40セーブに王手をかけた。
逆転優勝への勢いに水を差すところだった。初回に5点を奪った。だが、山井、平井が計4被弾。5回には風にあおられた飛球を遊撃井端と左翼森野が取り損なうなどで2失点、7回には8-7と1点差に迫られていたが、最後は岩瀬が相手の勢いを止めた。
これで巨人を抜いて2位に再浮上。落合監督は「難しい試合だった。これからは内容より結果? 両方でしょ。選手はわかってやってくれるよ」と冷や汗ものの試合を振り返った。
そして最終回について「岩瀬しかいないでしょ。ほかにだれがいるの?」と胸をなでおろした。
試合後、岩瀬は史上初の3年連続40セーブに関心を示さなかった。「これから厳しい試合が続くから、チームが勝てばそれでいいです」。日々、重圧と戦う岩瀬ならではの哲学をこの日も貫いた。今季は4敗を喫するなど不安定な時期もあったが、7月24日阪神戦での失点を最後に18試合連続無失点だ。阪神とはピタリ0・5差。逆転優勝のその時まで、岩瀬はフル回転する。
(日刊スポーツ)
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