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18 . September
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28 . August
 中日の絶対的なリリーフエースが、北京五輪では信じられない姿をさらした。3試合で負け投手。特に大一番となった韓国との準決勝では巨人のイ・スンヨプに決勝2ランを被弾した。日本の応援席からは耳をふさぎたくなるような、心ない罵(ば)声も浴びた。疲労や精神的なショックは大きいはずだが「休んでも休まなくても体調は同じ。目の前にゲームがあるわけだから」と、帰国3日後にマウンドに立った。

 しかし、落合監督の岩瀬に対する信頼は何ら変わっていなかった。試合後、守護神とガッチリ握手を交わした指揮官は「ちゃんとした使い方をすれば抑えるんだ」と当然のように言った。北京五輪では藤川とともに抑えの上原につなぐセットアッパーを任され、本来の役割とは違った。とはいえ、敗戦投手となった試合はいずれも同点の場面での登板で、うち2試合は回をまたいだ2イニング目に失点した。「岩瀬は勝ちパターンで行く投手。そういう使い方をしないと…。長年ウチの屋台骨を背負ってきたヤツなんだから」。メダルを逃した責任を背負っている左腕をかばうように、落合監督は星野監督の起用法をバッサリ斬った。

 森バッテリーチーフコーチも冷静に分析する。「国際球は重いから、フォームを崩し、右肩が入りすぎていた。大丈夫だよ」。投球前にアドバイスされた岩瀬はいつものスライダーの切れが戻っていた。五輪期間中は浅尾、高橋といった若手が必死で代役を務めたが、25日の巨人戦では浅尾が2点のリードを守れず逆転サヨナラ負け。守護神がいれば…と思わせた。

 負ければ落合監督就任5年目で初の借金生活という大事な試合で、“抑えの仕事”に戻った岩瀬がキッチリ締めた。「自分が変わったとは思っていない。やるべきことはやってきた」。北京で受けた傷を振り払い、左腕が再び前を向いた。
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28 . June
<プロフェッショナルのこだわり> 岩瀬、鉄の下半身
2008年5月13日 紙面から

 プロの一流の技をドラゴンズの選手に聞く「プロフェッショナルのこだわり」。第2回は中日が誇る抑えの切り札・岩瀬仁紀投手(33)のピッチングに焦点を当てた。入団から9年連続50試合以上登板というタフネスぶりの源はどこにあるのか? 武器であるスライダーや、登板のときの肩の仕上げ方は? 守護神の投球を支えるものは何かを話してもらった。 (山本諭)

<技>スライダーは調子や場面で握り方や投げ方を変える
 岩瀬の持っている球種で最大の武器は、何と言ってもスライダーである。打者の手元で鋭く、そして大きく変化し、相手をてこずらせる。シュートや、スプリットフィンガード・ファストボール(SFF)も投げることで、スライダーがより生きてくるが、やはり岩瀬にとっての伝家の宝刀である。

 スライダーは球を切るようにして投げるといわれることも。ただ、岩瀬の場合は違うという。

 「切る投げ方じゃないんです。でも、どうやって投げ方を説明したらいいか分からないんですよねえ。感覚的なものだから」。プロの選手は理論だけでなく、自分の持つ感覚も大事にする。ちょっとしたことを具体的に明示するのは結構難しい。それが感覚である。

 はっきりと言えることもある。それはスライダーの投げ方はひとつだけではないこと。

 「そのときの調子や場面とかで、球の握りや、投げ方は変えますよ。もちろん、それによって変化の仕方も違ってきます」

 握り方や、腕の振り方を少し変えるだけで、いくつもの組み合わせができる。それによって、球の変化も違ってくる。もともと打ちにくいといわれている岩瀬のスライダーだが、“七変化”ばりのバリエーションがあれば、相手打者が容易に打てないのは当然のことである。だからこそ、最大の武器になっている。

<肩>2、3球だけでマウンドへ
 救援陣は試合のたびにブルペンに入り、展開を見ながら登板に備えて肩をつくる。リリーフ投手は投球練習で少ない球数で肩ができるといわれる。岩瀬もそうだ。

 「少しでも(登板前の)球数は少なくしておくのがいいし、でもそれで、(登板して)良くないといけないし、その辺は考えながらやっています。球数が少なくても肩ができる、そういう体にはなっていますね」

 岩瀬のように試合の最後に出てくる投手は、一方的な試合展開になれば休める場合もあるが、小差なら準備が必要になる。キャッチボールで肩をならしておかなければならないが、ブルペンでの投球練習は「2、3球で肩ができて(マウンドへ)行くときもある」と話す。少ない球数ですぐに肩を仕上げる。長年の経験で体が覚えていることを証明する話である。

 「先発は次の登板までに間が空くから、それに合わせて調整するけど、(リリーフは)そうはいかないから、調整は考えて工夫しています」と岩瀬。登板もしながら、次への調整もしていく。やはり、下半身をより鍛えておくというのが大事になってくる。

<足>高く上げれば上げるほど軸足に体重
 プロ入りした99年から昨年まで、岩瀬は9年連続50試合以上登板のプロ野球タイ記録をつくった。昨年の61試合登板は、01年と並んで自己2番目の登板数。これだけ投げても肩、ひじに大きな故障もなく投げられるのはいったいどうしてか。それは下半身の強さにある。

 「下半身は(投球の)土台になるものだから、鍛えておかないといけない。年間を通して、あれだけ投げられるのも、下半身が(しっかりしていることが)大事だから」

 ピッチングで大事なもの。腕の振り、フォームバランス、投げるときの体重移動、細かいものも挙げていけば、たくさんの項目が並ぶ。「どれも大事なこと」と岩瀬は話す。その中でも常に心がけていることは何か。「何だろう」と少し考えてから「体重のかけ方かな」と話した。これは、下半身の重要さにつながるものだ。

 投手の投球動作は、振りかぶっても、セットポジションでも、次は足を上げる。左投げの岩瀬の場合はもちろん右足。このとき、軸足となる左足に体重をしっかりと乗せて力をため、体重移動とともに、力を放出して投げる。となれば、足を上げれば上げるほど、軸足に体重を乗せられることになる。

 「本当はもっと足を上げたいんです。でも、あれ以上上げるとフォームのバランスを崩しちゃう」と岩瀬。写真では腰より上、腹のところまで足が上がっている。高く上がっているように見えるが「それほどじゃない」と言う。下半身にしっかりと力をためて、それを利用して投げる。可能なら、さらに足を高く上げてタメをつくりたいと思っている。“下半身で投げる”といってもいいくらいなのだ。

 その下半身を鍛えるために、投手はキャンプインからオフになるまで、とにかく走る。シーズン中は、先発ローテの投手は長めの距離をランニングしたり、ダッシュも。岩瀬らリリーフ陣は短い距離のダッシュを繰り返している。疲れがあっても、これで土台を鍛え続けているわけだ。

 日ごろの入念な体のケアも大事。肩、ひじが丈夫なことが大前提に。でも、“下半身で投げる”ことができればそれだけ、肩、ひじ、上半身への負担は減る。岩瀬のように、より登板数を増やすことができる。毎年、どれだけ投げてもへこたれない左腕の強靱(きょうじん)さは、下半身をしっかりと使って投げられるところにあった。

04 . March
 中日の地元“開幕戦”に守護神とエースが登場する。4日の西武戦(ナゴヤドーム)で、岩瀬仁紀投手(33)が先発し、川上憲伸投手(32)が後を受ける形で登板する。3年連続で年に1度の先発に臨む岩瀬は、投げながら悪いところを見つけて修正する目標を立てており、打たれてもOKの覚悟だ。川上は相手打者に合わせて、課題を作って投げるつもりで、早くも本番想定モードに入る。

 今年も岩瀬、川上の豪華リレーで、ナゴヤドームのオープン戦がスタートする。2人が地元初戦で登板するのは4年連続。先発・岩瀬、2番手・川上の順は06年以来、3年連続になる。年1回、この日限りの先発となる守護神は、予定の1イニングを結果は気にせず投げるつもりだ。

 「課題は今のところないです。投げながら悪いところが見つかって、それをどう直していこうかということになる」

 岩瀬ともなれば、結果より、開幕へ向けてどう調整すればベストになるかが大事だ。抑えようが、塁に出そうが、点を取られようが、そこで気付いたことを修正する。すでに最初の修正点は予想できている。

 「キャンプで疲れているけど、そういう中で投げるから、投げるときに体重移動ができてないとかはあると思う」。まっさらなマウンドで投げられる喜びを味わいながら、岩瀬は修正点を見つけていく。

 岩瀬の後を受ける川上は、事前にテーマを決めず、臨機応変な投球を目指す。つまりは本番を想定しながら、頭を使って投げるということだ。

 「特に前もっての課題はないです。マウンドに立って、打者に向かったときに、こう投げようとか、思い付いたことをやっていきたい」

 キャンプでは投球フォームを改良し、「ものにしたい」とフォークの精度を高める練習もしてきた。オープン戦はそれらを確実なものにする場でもある。

 「変化球を試せるものは試したい。まだ、フォークは自分ではそんなに変わってないとは思うんですけど。だんだんと調子は上がってきたので良かったと思う」

 年に1度の、豪華“逆”リレー。守護神も、エースも、順調ぶりをファンに披露する。 (山本諭)
14 . February
中日の岩瀬仁紀投手(33)、川上憲伸投手(32)が13日、そろって北谷球場で今キャンプ初のフリー打撃に登板した。ともにMAX135キロで好調な仕上がりをアピール。守護神・岩瀬は年に1度の“定期戦”を終えた井端から「若返り」の太鼓判を押された。

 1年に1度の“定期戦”の相手だからこそ、感じる変化がある。岩瀬VS井端。クローザーがフリー打撃に初登板するときの打者は、必ず井端が務める。

 「きょうも最初からイバに投げるって決まっていましたよ。『やっぱ、2人でやらなきゃダメでしょ』みたいな…」。北谷の恒例行事。今年は24球投げ、安打性の打球は5本。岩瀬の完勝かと思いきや、ラスト1球の「真剣勝負」は右中間にはじき返された。

 「ホントはその前のファウルだったのに、打ち直ししたんですよ。ずるい! でも、イバが調子を上げてくれるんだったらいいですけどね」

 岩瀬の表情は明るかった。MAX135キロ。「スピードはどうでもいい? そんなことない。出るに越したことはないですよ。この時期に135ならヨシヨシって感じです」。納得のキャンプライフを過ごしている。それを裏付ける証言が、井端から飛び出した。

 「球の動きが昔に戻っていました。若いころみたいに荒々しく変化していたんですよ。今年は調子いいんだと分かりました」

 岩瀬の代名詞はスライダーであり、シュートだが、実は打者にとって最も厄介なのは動くストレートなのだ。いわゆる真っスラ。左打者からは逃げ、右打者には食い込む。そのムービングが若さを取り戻したのだという。ここ数年、必ず沖縄で対戦してきた井端ならではの実感は、本人も自覚していた。

 「戻したというより、戻った感じですね。球持ちが(近年になく)いいんで。スピードもそうですけど、球があれだけ動いてくれるのは自分でもいい感じです」

 前人未到の10年連続50試合登板に挑む守護神は“勤続疲労”どころか若返っている。盤石のクローザー。今季も竜の『9回』に死角はない。 (渋谷真)

◆憲伸負けてない、同じくMAX135キロ
 エースの視界は良好だ。谷繁を相手に47球。開幕候補の大本命は、セ界3球団のスコアラー陣にため息をつかせた。

 「きょうは(自分の球に対する)打者の差し込まれ具合と、テークバックを(打者から)見やすくしないようにということを考えて投げました。満足? そこまで抑えているっていう気はしないですけどね」

 最速135キロは岩瀬と“ドロー”。ただ、ステップは確実かつ順調に踏んでいるようだ。昨年は腰の張りに苦しみ、開幕に間に合わせるのがやっとだった。そんな舞台裏の格闘は、この2月は全く無縁。体調のよさが、そのまま調整進度につながっている。

 「順調そのものですね」と巨人、広島、横浜のスコアラーは口をそろえた。朝倉、中田も好調。1本でも強い矢が、3本の束となる。 (渋谷真)
04 . January
 中日の岩瀬仁紀投手(33)が4日、名古屋市内の球団事務所で2度目の契約更改交渉に臨み、4000万円増となる年俸4億3000万円の1年契約でサインした。日本人現役投手では年俸4億円で合意した巨人の上原浩治を上回り、2季連続の最高年俸となった。

 岩瀬は昨年、史上初の3年連続40セーブ(43セーブ)をマークして日本一に貢献。昨年末の交渉で1年契約と1年目4億2000万円で2年目から変動制となる4年契約の提示を受け保留していた。岩瀬は「去年FA(フリーエージェント)権を取得したが、それについて考える余裕がなかった。ことし1年ゆっくり(行使するかどうか)考えたい」と1年契約を選んだ理由を説明した。

 メジャー挑戦の可能性を問う質問も飛んだが「最後までドラゴンズでやりたいという基本線に変わりはない」と話した。(金額は推定)
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